大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)2495 判決

主 文

被告人A、同B、同Cに関する本件各上告を棄却する。

原判決中被告人Dに関する部分を破棄する。

本件中右の部分を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

被告人Aの弁護人鈴木義男、同河野太郎の上告趣意被告人Bの弁護人桃沢全司の

上告趣意、被告人Cの弁護人桃沢全司の上告趣意及び被告人Dの弁護人坂本英雄の

上告趣意は、末尾添付の別紙記載のとおりである。

被告人Aの弁護人鈴木義男、同河野太郎の上告趣意第一点について、

原判決においては、被告人Aにかかる判示第一の(二)の医薬品の無許可販売業

を行つた事案に対し、これを旧薬事法四一条一項の罪に問擬処断したものであつて、

同判決にその行為禁止の根拠規定として同法二二条を掲げたのは同法二三条の誤記

たることは明らかであるから、原判決に所論の違法があるということはできない。

同上告趣意第二点について。

仮に所論の如き事情があつたとしても、原判決判示第一の(二)の医薬品販売の

所為が業としてなされたものであると認定することを妨げない。従つて原判決が右

判示事実を以て旧薬事法二三条に違反するものとしたことに違法はないから、論旨

は理由がない。

同上告趣意余論について。

所論は要するに量刑不当の主張であるから、刑訴応急措置法一三条二項により上

告適法の理由とならない。

被告人Bの弁護人桃沢全司の上告趣意第一点について。

記録に徴すれば、被告人Bは原審公判において弁論更新の際にも原判決判示第四

の事実に関し判示同旨の供述をしたものと認められるのであるから、原判決に所論

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の如く証拠に基かずして事実を認定した違法はない。論旨は理由がない。

同上告趣意第二点について。

原判決判示第四の(二)において認定されているところは、被告人Bが四回に亘

り無許可で医薬品の販売業を行つた事実であつて、たとえ販売行為は一回であつて

もそれが業としてなされたものと認められる場合は、旧薬事法二三条一項に違反す

るものというべきであるから、原判決に所論の如き違法はないのみならず、結局事

実誤認の主張に帰する論旨は刑訴応急措置法一三条二項により上告適法の理由とな

らない。

同上告趣意第三点について。

原判決においては、被告人Bにかかる判示第四の(二)の医薬品の無許可販売業

を行つた事実に対し、これを旧薬事法四一条一項の罪に問擬処断したものであつて、

同判決にその行為禁止の根拠規定として同法二二条を掲げたのは同法二三条の誤記

たることは明らかであるから、原判決に所論の違法があるということはできない。

同上告趣意第四点について。

原判決は、所論の点に関し無許可で医薬品の販売業を行つたそれぞれの販売行為

を旧薬事法二三条一項に違反するものとし、これを連続犯として結局一罪として処

断したものであつて、原判決に所論の如き違法があるとするに足りない。

被告人Cの弁護人桃沢全司の上告趣意第一点について。

記録に徴すれば、被告人Cは原審公判において弁論更新の際にも原判決判示第五

の事実に関し判示同旨の供述をしたものと認められるのであるから、原判決に所論

の如く証拠に基かずして事実を認定した違法はない。論旨は理由がない。

同上告趣意第二点はついて。

原判決は被告人Cが麻薬取締規則施行の日から数ケ月間判示麻薬をEに保管せし

めて所持した事実を認定しているのであつて、かかる麻薬の占有関係もまた同規則

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にいわゆる所持に当るものというべく、また右保管関係が所論の如く同規則施行以

前から継続していたとしても、その後における麻薬所持の事実がある以上同規則違

反の責も免れないことは勿論である。論旨は理由がない。

被告人Dの弁護人坂本英雄の上告趣意第一点第二点について。

原判決は被告人Dにかかる判示第一の麻薬所持の事実認定の一証拠資料として同

被告人作成の麻薬の任意提出書の記載を挙げているにかかわらず、右書面について

は原審公判において適法な証拠調手続を経た形跡は記録上認められないことまこと

に所論のとおりである。されば原判決は不適法な証拠を他の証拠と綜合して犯罪事

実を認定した違法があるものというの外なく、右違法は判決に影響を及ぼすおそれ

のあるものであるから、第一点の論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。従

つて原判決言渡の適否に関する第二点の論旨については、これに論及するまでもな

いことになるのであるから、その判断を省略する。

よつて、被告人A、同B、同Cに関しては旧刑訴四四六条、被告人Dに関しては

同法四四七条、四四八条ノ二、一項により、裁判官全員一致の意見で、それぞれ主

文のとおり判決する。

検察官 浜田龍信関与

昭和二七年八月二九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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